紫外線対策

日焼けや皮膚がんの原因になるといわれる紫外線。日本人の肌は欧米人に比べれば紫外線(UV)に強いといわれています。しかし、中高年の人は紫外線にさらされると、皮膚がんになりやすく、白内障も進みやすくなります。
海外旅行では、日本よりも紫外線が強い場所へ行くこともあるので、紫外線対策はしっかり行うことが肝心です。海外で紫外線が強いのはハワイ、グアム、サイパンなどのビーチリゾート。また、トレッキングで人気のネパールやスイス、スキーで訪れることが多いカナダやニュージーランドなど、高地の紫外線の強さは海岸以上です。高度が300メートル上昇すると紫外線は少なくとも4%増加。3千メートルの高地では、平地の40%増の紫外線を浴びていることになります。 あまり知られていませんが、日焼けとは別の紫外線による障害があります。薬剤を服用していることが原因で起こる日光過敏症です。症状としては、赤くなったり、浮腫(ふしゅ)や発疹(ほっしん)などを伴ったりします。
中高年になると、降圧剤など持病の薬を飲む人は少なくありません。降圧剤だけでなく、解熱剤や鎮痛剤などにも副作用としてこうした症状を引き起こすことがあるものも。薬を飲んでいる場合は、念入りな紫外線対策が必要です。
日焼け止めクリームは、水に強いスポーツ用が適しています。地表に届く紫外線には、波長の長いUVA 波と波長の短いUVB波があって、それぞれに対する防止効果は「PA」「SPF」という指標で示されています。商品を選ぶときの目安は、PA+++、SPF20.30程度のものを。 耳や首の後ろは、スカーフやつばの広い帽子で確実にガードします。クリームだけでは不安なら、UVカット効果のあるウエアを着用しましょう。

日光過敏症を引き起こすことがある内服薬の例

 


 

監修/篠塚規 日本旅行医学会専務理事、オブべース・メディカ専任医師。国際旅行医学会正会員、国際登山医学会正会員。日本旅行医学会ホームページhttp://www.jstm.gr.jp/