健康豆知識

【有害物質を排出し体の機能を正常化する】

 ここ数年、デトックス、 毒出し、体内浄化という言葉をよく見かけるようになりました。デトックス( Detox)とはDetoxificationという英語の略で、毒を除去する、解毒するという意味。もともとは、アルコール依存症や麻薬中毒の治療、肝臓の解毒機能を表す言葉として使われていました。最近では体内にたまった有害物質を排出させ、病気予防につなげる健康法として注目されています。
 環境汚染が進む現代。汚染された空気や水、残留農薬、食品に含まれる添加物など、現代人はかなりの量の有害物質を体内に取り込んでいます。有害物質とは、発がん物質や人体に害を及ぼす有害ミネラルのこと。こうした物質が体内に蓄積され、健康を害する一因になっている可能性が指摘されるようになり、デトックスが注目を集めるようになりました。体内にたまっている毒素がビタミンや必要なミネラルの吸収を阻害してしまうことも明らかにされています。
 体にはもともと解毒機能が備わっていますが、有害物質の蓄積はその働きを弱めます。デトックスをすることで体が本来持つ力を取り戻し、機能を正常にするのを助けてくれるというわけです。いまでは、体内の老廃物を排出することもデトックスとして扱われるようになりました。
 体内の毒素を排出するための鍵となるのが食生活です。食品の中には、体内の毒素を排出する働きをもつものがあり、こうした食品をとることで体のデトックス力は高まります。デトックス効果のある成分はいくつかあり、毒素を捕らえる働き(キレート作用)をもつもの、解毒作用を行う肝臓の機能を助けるもの、有害物質の排出を促すものに分けられます。キレート作用があるのはタマネギ、ホウレンソウ、リンゴ、コリアンダーなど。ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、スプラウトなどは肝臓の解毒作用を助けます。また、有害物質の排出を促すのが食物繊維を多く含む食材です。
 体内の毒素は汗からも排出されます。食生活だけでなく、運動や入浴で汗をかくこともデトックスにつながります。


参考文献/有害重金属が心と体をむしばむ(東洋経済新報社)大森隆史著、体内毒出し30日プログラム(祥伝社)ジェーン・スクリブナー著・日野西友子訳、完全「毒出し」健康法(三笠書房)松生恒夫著、月刊ベターホーム(ベターホーム協会)2006.5月号

[2006.9.10 up]